2010年10月06日

“職人”池之平昌信さんに聞く「流し撮り」の魅力

撮りたい被写体はピタッと止まって写り、背景はサァーっと流れて写る。
被写体の躍動感が迫力を増して伝わる撮影テクニック「流し撮り」

今回話を伺ったのは、あの『タモリ倶楽部』でも8月に紹介された“流し撮り職人”の
池之平昌信(イケノヒラ マサノブ)さん。

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背景流しとズーミングのダブル効果でドリフトしたクルマが迫ってくるようだ

池之平さんの流し撮り写真はとにかくカッコいい! 
ホームページにはいくつかの作品が掲載されていて、モータースポーツ好きのタカハシにとってはしばらく眺めていても飽きない。クルマの一瞬の輝きが凝縮されているのだ。


池之平さんが流し撮りに目覚めたのは19才。写真の勉強をするために上京し、もともとスーパーカーが好きだったこともあって、友人たちとレースの写真を撮るために富士スピードウェイに向かったが……。

 「現像してみたらフレームに入ってないとか、失敗作のオンパレードだった」

愕然とした池之平さんだったが、一枚だけ「おっ」という写真があった。
背景は流れているのに、クルマのリアウィングだけがすごい鮮明に写っていて、止まっているところを写したかのような写真。

 「その一枚がなかったら、もう一回サーキットに写真を撮りにいかなかった
 かもしれない」



その後も池之平さんはサーキットに通い続ける。
そんな時、当時の写真学校の先生から「レースが好きなら一緒に乗っけていくよ」と誘われ、レース写真にのめり込んでいく。先生の助手という形で取材パスをとってもらい、先生が行けないレースは、自分が写真を撮るという学生時代。

卒業後は写真エージェントに就職し、88年にはF1の取材パスを取得。ほかにもル・マンやWRCなどの国際レースをはじめ、フォーミュラニッポン、スーパーGTなどの国内レースの写真を25年以上、撮り続けている。

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ズームアウトしながら被写体の動きにあわせて撮る“ズーミング流し”で立体感が出る

 *

池之平さんのようなカッコいいレースの写真が撮れたらなぁ……。
というわけで、9月19日に決勝が開催されたインディジャパンに池之平さんと向かった。

観客席からデジカメを使って何度か流し撮りにチャレンジにするがなかなかうまくいかない。やっぱり一眼レフじゃないとなかなか撮れないもんなのか?

 「デジカメやケータイでも流し撮りはできますが、一眼レフと違ってシャッターを押し
 てから切られるまでタイムラグがある。それを計算しないと難しいですね」


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サーキットで、筆者もデジカメで流し撮りに挑戦してみたが……。レースは難易度高し

コツは何かあるんですか?

 「とにかくたくさん撮ることですね。それがうまくなる近道です。今はデジタルだから
 失敗してもガンガン削除すればいいんです。被写体の動きにあわせてカメラをふる、そ
 のふりが完全に同調している瞬間にシャッターを押すということですね」



思い通りの写真が撮れたときは、バッティングセンターでジャストミートしたような感覚だという。
 
 「クルマの動きと完全に自分のカメラのフリが同調して、シャッターのタイミングもす
 べてあっているということだからね」


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こちらは職人のお手本。クルマの文字がハッキリと写っている


それに、モータースポーツじゃなくても流し撮りは十分に楽しむことができる。
 
 「子供の運動会や、遊園地なども流し撮りの宝庫です」

子供が運動会でいきいきと走っている姿を、流し撮りテクニックを使って撮れば、きっと喜ばれること間違いなし。遊園地のメリーゴーランドは一定速度で何度も回ってくれるから、流し撮りの練習には最適だし、彼女を乗せて撮ってみればいつもと違う彼女の表情もとれるはず。

 「実は、動いている瞬間にその人の素の表情が出ていたりします。大多数の人がそうで
 すが写真撮るよっていうとテレたり、顔がこわばってしまったり、ピースしたり……。
 普段の本当の表情ってなかなか撮れないものなんです」



いい写真を撮ってもらって喜ばない人はいない。それに、流し撮りをマスターしていて、動いている写真を上手に撮れる人もそう多くはないはず。もし一眼レフ(難易度は上がるがデジカメやケータイでも)を持っている人は、まずは身近なものからチャレンジしてみてはいかがだろうか。
きっといつもとは違った、写真の新しい魅力に気づくはずだ。

 
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池之平さんは「日本流し撮り研究所」を設立し、研究員を随時募集中だ。
初心者、プロ問わず、興味のある人はホームページへ


★池之平昌信ホームページ


流し撮り完全マスターブック 2009年 09月号 [雑誌]

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 日本写真企画
  • 発売日: 2009/07/29
  • メディア: 雑誌


  右斜め上 流し撮りの基礎から応用まで学べ、池之平氏の撮影ノウハウが満載。写真集としても楽しめる。

posted by 若手 at 14:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | タカハシ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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